ベニワレンについて

 

 世界的な人気となっている北アフリカに位置するモロッコのベニワレンという地方で女性職人により手作業で織られる伝統的な羊毛のシャギーラグをベニワレンと言います。そのカワイらしいシンプルなデザインと独特なふんわりもこもこ感が人気を集め日本でも都市部では価格が高騰し、一番活躍する冬には売り切れになるなんていう事も毎年よくあります。弊社が販売し始めた時は都内でも僅か2〜3店舗だけ。埼玉ではまず見る事は無かったかと思います。エドライフではそのデザインと職人仕事に魅了され数年前から昔と変わらぬ伝統技法で作り続けている新品のベニワレンを取り扱っています。

 

しかし弊社では古物の買取業務も行っておりベニワレンの売れ行きの良さと同時にベニワレン買取のお話も多く頂く様になりました。これはとても残念な事です。

 

 エドライフは家具職人が運営する家具店。職人がデザインし、製作、接客、販売、そして可能な限り納品まで。作り手の事を考え抜いた結果この様なスタイルとなりました。近年野菜を農家さんから直接購入される方が増えてきました。理由は簡単です。知識豊富で安心で安全。これと同じ考え方で家具の販売をしています。であれば他国の職人さんが一生懸命製作したベニワレンも良い点悪い点やその背景も知った上で長くお使い頂きたいと考えこの様な文の作成に至りました。つたない文章ですがベニワレン選びのご参考までにどうぞ。

 

巷の噂は本当か?ラグがダメになる位 いじり倒してみました。

 

 インターネットでよく見る情報では①冬暖かく夏は涼しい? ②販売されている物のほとんどはヴィンテージでその人気から最近は新品も作られている? ③新品は色落ちする? ④新品は抜け毛(遊び毛)がひどい? ⑤ベニワレンは自宅では洗えない?

「と聞きましたがどうなんでしょうか?」この様なご質問が多く見られます。私はベニワレンを販売する前にまずは自分でこの製品を良く知ることにしました。実際使ってみたり洗ってみたり。新品もヴィンテージも、大きいサイズも小さいサイズも。これでもかと引っ張ったり切ってみたりもしました。その経験から上記ネット情報のお話をさせて頂きます。

①冬暖かく夏は涼しい?   

(私は)冬は暖かいが夏は見るのも嫌になりました。確かにウールの特性として水分の調整機能はあるらしいのですが、真夏にウールのセーターを着る様な感じでしょうか。。私は無理でした。

私は季節に応じたインテリアが素敵かと思います。クーラーのよく効いたお部屋で小さめサイズでしたら我慢できました。

②ヴィンテージの人気から最近は新品も作られている?   

 日本に伝統工芸があるのと同じで世界のどの国にも昔から変わらず作られている製品があります。少量ですがベニワレンもずっと新品が作り続けられていました。ただ、その人気からか他の地域や他国でもデザインの似た様な製品がベニワレンとして生産販売されている様です。実際モロッコでも伝統を守り昔ながらの生産をする人はわずかです。理由は近代的な染料や安いウールを使うことにより時間を短縮し安く販売できるからです。この違いはパッとみからは一切わかりません。

 

③新品は色落ちする?  

 私は自分でヴィンテージと新品の共に数枚を日本で普通に売られている数種類の洗剤を試してみました。実際ヴィンテージでも新品でも色落ちした物もありました。しかしそれはわずかでした。

理由を色々と検証もしましたが私は科学者ではなくただの家具職人なのでおそらくの理由になってしまいますが、一つは日本の洗剤に洗浄成分が強い物があるのだと思います。ベニワレンが汚れた時に漂白剤を使ってしまうと十中八苦色落ちすると思って頂いた方が良いかもしれません。それは洗剤に漂泊成分が入った物も同様です。

もう一つは作る過程や染料による事かと思います。これに関しては販売店がどこの誰から仕入れているのかによると思います。そしてヴィンテージだから色落ちしない訳でもありませんでした。

 

④新品は抜け毛(遊び毛)がひどい?   

これは確かにそうでした。

ヴィンテージの物は遊び毛が少なく(無いわけではありませんでした)新品は結構でます。特にウールや麻繊維の洋服にペットを抱いた時の様な毛が付きます。デニムや綿素材のパンツでは気になりませんでした。これは新品の宿命かと思います。お使い頂く内に減ってきます。マメに掃除機をかけたり外で干しながら叩いたり、裏技は新品の靴やスリッパなどで踏むと繊維が固まり少なくなります。ヴィンテージの物も無いわけではありませんし新品も使い続ければヴィンテージになっていくわけなのでデニム同様「ラグを育てる」と思ってください。必ずなくなる日がやって来ます。

 

最近モロッコではベニワレンの価格高騰に乗りヴィンテージでない物もヴィンテージだと言って販売してしまう事もあるそうです。この見分けは我々日本人ではわからないと思います。しかし安心してください。全て読んで頂ければ新品も良いかもと思っていただけるかと思います。ちなみにヴィンテージと言うからにはきちんとした世界基準があります。50年以上100年未満これをヴィンテージと呼び100年以上がアンティーク。50年未満は中古でしょうか?。。。

 

⑤自宅では洗えない?   

 おそらくこうおっしゃる方はご自分で洗われた経験が無いのでは無いかと思います。高価な物なのでそう思うのも当然かもしれませんがベニワレンはウールなので丈夫です。私は何枚も試しました。

そして多くの製品が問題ありません。これは③の色落ちの問題があるのかと思います。安価な仕入れ価格の物やどこで作られたかわからない物はおそらく伝統の製法を一切無視した作りで製作されています。洗ってみたらぺったんこになってしまったり毛がほとんど抜けてしまったり。日本でも伝統工芸品によく似た安価なお土産が売られていますが、それと同じ事は世界中のどこでも見ることができ、ベニワレンも同じ状況です。

 

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上記を含めて弊社のお勧めベニワレン

 

以上がインターネット上でも良く見る質問であり弊社でもよくご質問頂く内容です。それを踏まえ弊社のご提案しているベニワレンは【小さめで新品で伝統的な作り】です。(小さめとは1畳位をお勧めしています)

 

実際ベニワレンをお探しの方の多くは2000/1500など大きい物をお探しです。インスタグラムなどで見た海外の素晴らしい御宅で、ダイニングテーブルの下にバーンとひいてあって。。。気持ちはとても分かります。おしゃれですよね。私も憧れます。しかしそれは海外の富裕層で日本では考えられない様な貴族の様な暮らしをされている方の御宅だったりしませんか?

 

ここ日本では四季があり(個人差がありますが)日本の夏にベニワレンは不向きです。しまっておく場所も必要ですし、ラグの高額クリーニングも躊躇なく出せる方は大きな物を選ばれても問題ないかと思いますが私はクリーニングに時価と言われてしまう商品は怖くて買えません。

大きなラグもご自宅で洗えない事はありませんが乾かすまでに時間がかかります。お野菜でも果物でも水分が腐ります。それと同じで長い時間湿ったままのラグは悪臭を放ちます。小さめのラグ(一畳位)は縦型の洗濯機に収まります。それで脱水だけ入念にする事で素早く水分を抜くことが出来ます。お客様の中にはコインランドリーに行けば?!とおっしゃる方もいらっしゃいます。私も探しましたが近年のコインランドリーは自動化が進み残念ながら脱水のみはできませんでした。

 

新品がお勧めな理由

もう一つ我々日本人の暮らしと海外の多くの国の暮らしの1番の違いは「土足」です。おそらくそのインスタの海外の御宅も。。ちなみにモロッコも土足の文化です。

家で下足することは国際的にみて珍しい文化です。ヴィンテージでクリーニング済みだから綺麗ですと言われても私は自分の子供が土足で使われていたラグに顔をつけているシーンに抵抗がありました。私は元々汚れを気にする方ではありません。古着も大好きですし、木工仕事をしていれば服は木屑にまみれ、刃物を手入れすれば手は真っ黒になり。そんな私が現地で使われているラグの画を見て引いてしまいました。。。たまたま私が見たのがひどく汚れたラグだったのかもしれませんが、これがクリーニングされても子供のいる私にはヴィンテージという名の誰かの使い古した中古ラグは向きませんでした。 

 

伝統を守った作りがお勧めな理由

 高価な手織りラグを購入するならばきちんとした伝統工芸品=本物が買いたいのは誰しも同じかと思います。日本では決められた材料を使い決められた手法で製作された伝統工芸品には伝統工芸マーク?の様なシールが貼られています。それがベニワレンにはありません。

ですので他の地域や他国で見た目だけ同じ様に作られた安易な製品が氾濫してしまい、それを日本で判断する事は難しいかと思います。多くのベニワレンを見てきた私も判断出来ません。消費者の方が出来る唯一の判断方法は販売店を選ぶ事かと思います。

弊社ではベニワレンの職人から直接購入という方法を取っています。これは決して安く仕入れる為ではありません。伝統的な作りのベニワレンは通常のベニワレン現地価格の約3倍以上の価格です。

弊社は職人が運営する家具店。職人達に正当な手間賃を支払う為には直接購入しかありませんでした。弊社の購入価格の約8割がラグを作った女性本人に渡ります。その為職人たちはコミュニティを作り自分達の伝統を守りつつ、より世界的に良いと言われる製品を作る為に日々努力しています。

 

 

ここからは伝統的なベニワレンの作り手からの意見です。

 私達は伝統を守る上でまず材料について考えました。例えばメイン材料のウールに至ってもモロッコの多くのラグが現地市場で販売されているサルディウールを使用しています。

しかし残念ながらサルディウールの質はとても悪くラグに使える繊維にする為に少量の綿と人工プラスチック繊維を混ぜ、化学薬品により脱色や染色が行われています。ラグが完成してしまうと見た目には全く違いがわかりません。これらのウールは私達作り手にもアレルギー反応を引き起こしラグの製作中に目が腫れたり咳が止まらなくなったり、お客様のお宅ではダニなどを引き寄せる可能性が非常に高くなります。

このウールがモロッコで頻繁に使用されている理由は安く入手でき市場で売られている唯一のウールだからです。染色や洗剤に関しても同様です。モロッコの市場ではおおよそ90%が中国やインドから輸入された合成素材が販売されています。

私達の作るベニワレンにはこれらは一切使わずアトラス山脈高地に生息する羊から取られるハイアトラスウール、又は中間地に生息する羊から取られるミドルアトラスウールのみを使用しています。このウールは質の高さで国際的に有名なニュージーランドウールの品質と同等もしくはそれ以上と言われています。このウールで作られたベニワレンは繊維自体が長いので抜け毛も少なくふんわり感が長続きし何十年も使い続けられる耐久性があります。

 

まとめ

【小さめで新品で伝統的な作り】のオススメ理由をまとめますと、小さければ自宅でも洗える。夏も頑張れば使える。しまうのも場所を取らない。

ヴィンテージや中古に対する抵抗がある方は新品が良い。安価な物や仕入先の不明な物はウールの質に不安があり新品かヴィンテージかに関係なくアレルギーの原因となる可能性が高い。以上です。

(とは言え大きなサイズのラグは大人気なので弊社でも大型サイズもありますのでご心配なく)

ベニワレンは一点一点手に取ってみると違いがあります。これはPCの画面ではうまく伝わらないかと思います。長く使える分高価な製品ですのでご来店可能な距離でしたら実物をご覧頂く事をお勧め致しています。

 

 上記文章の感じ方は個人差によるとは思いますが私自身作り手としてポリシーを持って店舗運営も行なっています。自身の店舗で販売する製品には同じ職人さんの気持ちも背負っているつもりです。ぜひ作り手の女性の事を思ってベニワレン探しをして下さい。そして購入されたら大事に長く使って下さい。

良質なベニワレン選びの参考になれば嬉しいです。